大雪で関越自動車道での立ち往生。
自然の前には人間の出来る事は限られます。
早く解消される事を願うばかりです。
石川県は雪国という印象が強いかもしれませんが、私が社会人になった30年程前からは、雪で困った冬は数える程しかありません。
温暖化の影響なのかもしれませんが、それでも中学生くらいまでは積雪量はかなりのものでした。
かまくらは当たり前のように家の前で作っていて、屋根から落ちる雪は庭に向かって斜めに積み上がるので、ちょっとしたソリ遊びもできました。
子供にとっては遊びの範疇の積雪でしたが、親世代にとっては毎日の雪掻き、屋根の雪降ろしは体力のいる厄介なものだったのだろうと大人になった今では痛感するのです。
近年最も痛感したのは2018年の2月。
一日中、毎日、二週間程降り続いた気がします。夫も既に他界していて一人暮らし。
車一台分の駐車スペースを確保するだけで精一杯。日中は仕事もありましたので、出掛けと帰宅してからでないと除雪もできません。
朝起きて積もった雪を見て、帰って来て更に積もった雪を見て、ため息しか出ませんでした。
でも雪掻きしなければ家からも出られなくなるので、少しずつでもやるしかありません。
体力も尽きかけ、腕も腰も痛い。何より積もった雪を積み上げる場所がなくなって行きます。
上に横に後ろにと試行錯誤しながら積み上げるのですが、横や後ろは早々に限界が来ます。
最後は上に載せて行くしかないのですが、重くなっていく雪を上げるにはもう体力がありませんでした。自分の身長を遥かに超えてましたから。
明日の朝、積もってたらもう無理だな。。
そんな事を考えて迎えたある朝。願いが届いたのか降雪も弱まり、気温も上がってきました。
それから毎日少しずつ積み固まった雪が溶けて行きました。
あれ程春が待ち遠しいと思った事はなかったです。
そんな暗黒の2週間でしたが、人の温かさや繋がりが強く感じられる経験にもなりました。
実は積雪初日は東京に居ました。
寒波が来る事はわかっていたので、スコップや長靴などを乗せた車を空港に停め、東京に行きました。
東京は快晴で、積雪が凄い事になっている。と言うニュースを見てもピンときません。
お向かいさんから大変だよ!と電話が来たので予定より早い時間に帰る事にしました。
金沢駅までは新幹線で辿りつけたのですが、その先は在来線はストップ。車のある空港までは行けません。
一緒に東京に行った友人と金沢駅前でレンタカーを借り、3時間掛けて空港まで行きました。
本来なら1時間もかからないのですが。。
空港で車を出そうと試みましたが、完全に雪に埋もれていて無理だと判断しました。
仕方なくレンタカーをそのまま借り、友人も含め我が家に向かい、一泊する事にしました。
ここで普通なら我が家の前は雪で車を停められるはずもないのですが、なんとご近所の方が車一台分の除雪をしてくれていたのです。
どかしておこうか?などと尋ねられる事もく、一台分だけ空けといたよ!って。
こんな温かい話があるでしょうか?
*一枚目の写真は東京から帰って来た夜の様子
*二枚目の写真は、石川に帰った翌日
この後もドンドン積もりました
*三枚目の写真は一週間位経った後かな?
その日だけでなく、私が仕事に行っている間に除雪されていた時もありました。
女一人で住むようになってから、ご近所の方にはとても気にかけて頂いていたのですが、この大雪の時は特に助けられました。
助けられるばかりではなく、私も雪道にハマった車を何台か助ける事もありました。
実は空港で幼子を抱えた若い母親がいて、声を掛けたら行き場がないとの事だったので、友人も含め我が家に泊まってもらいました。
困った時はお互い様が当たり前なのですが、直接その人に恩を返せない事もあって、でもその分、他の人にできたらいいなって思うのです。
皆んな困難の中にあって辛かったけど、それでも何とか踏ん張って、他人の困難も見て見ぬふりしない。そして春が来る幸せを感じる。
そんな大切な気持ちを思い出させてくれた出来事でした。